ジェイムズ・サーバー「虹をつかむ男」
- 作者: ジェイムズ・サーバー,鳴海四郎
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/01/10
- メディア: 文庫
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映画化原作ということで手に取ってみた。
取ってみたのだが、本を開いてあらびっくり。なんと原作は 20 ページにも満たない短編だった。原作と映画が別物なのは明らかですね。これはこれで親切設計(?)。
そして原作の方は、小品ながらなかなか味わい深くてよかった。オチも何もない他愛ない話だけれど、空想の中で生活する主人公を活き活きと描いている。小さな額縁に入れて机の上に飾っておきたいような作品だった。
同じ空想愛好家の自分としては、主人公を笑う気にはなれない。だって誰もが素晴らしい容姿、陽気な性格、人並みの能力を授かるわけではないのだから。むしろ、現実では冴えない人間が自分の夢想の中では輝ける、その力によって現実でもなんとかかんとか生きている――パッとしない生活が変わるわけではないにしても。そういう、ちょっといい話として捉えたい。でも、少数派かな。
映画はどうやら「空想癖のある主人公が、ひょんなことから現実の冒険に出る羽目になる(で成長する)話」っぽい。最後は空想世界を「卒業」しちゃうんだろうね。
「ラースと、その彼女」はシャイな独身男性がリアルドールを現実の彼女と思い込んでしまう映画だったけど、彼の妄想を否定せず寄り添うシナリオと、卒業の描き方が嫌みでなく秀逸な一本だった。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2009/08/05
- メディア: DVD
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とまれ「LIFE!」は映画館まで観に行こうかな。エンタメとしては楽しめそうだ。
若島正「明るい館の秘密」
『そして誰もいなくなった』批評。
うーん翻訳者の誤訳とまで言えるかどうか。旧訳でもなんとか意味は通りそうな気がする。まあ旧訳に親しんでいた贔屓目もありますな。今度新訳を読んでみよう。というより原文か……。この理屈でいくと原文で読んだ読者は真犯人を看破できるはずということになる。「私は初読で真相を見破った!」という人はいるのかしら。(いそう)
あと『そして誰も〜』の勘所が○○トリックだっていうのはみんなわかってると思うけどそうでもないの?
ちなみに……本論の収められた『乱視読者の帰還』は絶版でちょっとお値段がついておりますが、クリスティ論だけなら宝島社新書の『ベスト・ミステリ論18』(こちらも絶版だけどお安め)で読めるそうです。知らなかった。
- 作者: 若島正
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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ベスト・ミステリ論18―ミステリよりおもしろい (宝島社新書)
- 作者: 小森収
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2000/07
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高木彬光『人形はなぜ殺される』(ネタバレ)
人形はなぜ殺される 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)
- 作者: 高木彬光
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/04/12
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買っtter:古めの海外ミステリ二冊
- 作者: ミルワードケネディ,Milward Kennedy,横山啓明
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2000/10
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バークリーはここで描いた"推理"を突き詰めた先に、盟友ミルワード・ケネディの返歌『救いの死』を経て『パニック・パーティ』という最果ての地にたどりついてしまう。
とのことで、『第二の銃声』をオールタイムベスト級に愛するわたくしとしては読まざるをえない。バークリー本人の作品はあんまり読んでないなあ。毒が強すぎるから好きと断言するのはためわれるけども、どうしても気になる存在ではある。以前、誰だったかなあ、プロ作家の A 氏が Twitter かどこかでバークリーをボロクソに言っていて、そこまで言わんでもええやんと思った記憶がある。「オレは受け入れられない」という意見もわかるけど。
- 作者: ルーパートペニー,Rupert Penny,熊井ひろ美
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2009/12
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密室ミステリ史に輝く逸品(帯より)だそうで、原書房の『2011本格ミステリ・ベスト10』の 2010 年海外本格ミステリ部門でも 4 位に入っているので一定以上の面白さは保証されているはず。
買っtter
- 出版社/メーカー: エイ出版社
- 発売日: 2014/01/20
- メディア: ムック
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手持ちのコンデジに満足しているおかげで物欲も湧かないし、安全だ。と思っていたがそもそもそのコンデジが欲しくなったきっかけが三ヶ月前の 2013 年 12 月号だった……。
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