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水声社などの中小出版社が Amazon への出荷停止を決定

うへぇ。

 ネット通販大手のアマゾンが大学生などに対し、書籍の価格の10%をポイント還元しているサービスが、「事実上の大幅値引きで再販契約違反にあたる」として、緑風出版、晩成書房、水声社など中小の出版社が、アマゾンへの出荷停止を相次いで決めた。

アマゾンに抗議、出荷取りやめへ 中小出版社:朝日新聞デジタル

期間は 5 月から半年間。自社商品がポイント還元サービスの対象外になれば解除するとのこと。逆に言えば、今回が Amazon への最後通告という可能性も?

水声社って、ジョルジュ・ペレックなどを出してるあの水声社よね? 寡聞にして前二社は知らなかったけど、水声社は何冊か本を持っているのでびっくり。海外文学がお好きな方なら一度はその名を聞いたことがあるのでは。

とりあえずリンク。

記事に出ている三社が問題にしているのは恐らく以下のサービス。

コミックや雑誌を除く和書全てが 10% ポイント還元!(しかも現在キャンペーン中でコミックと雑誌も対象内)こりゃたしかに大幅値引きだ。

三社のサイトにはまだ出荷停止のニュースは出ていないけど、緑風出版のトップページからは以前から Amazon に抗議していた様子がうかがえる。その中に気になる一文が。

 出版協加盟社のうち51社は、8月7日までに、Amazon.com Int'l Sales, Inc.に対し、学生を対象に10%もの高率のポイントサービスを実施しているAmazon Studentプログラムから自社商品を1カ月以内に除外するよう求める申入書を送付し、8月20日までに回答するよう求めた。同時に、除外しない場合は、再販契約書の規定に従い、取次店に対し、同社への出版物の出荷を停止するよう指示することもある旨の警告をした。除外を求めた51社の点数は4万1740点、アマゾンデータベース約70万点の6パーセントにのぼる。

緑風出版「いま出版社に求められていること」、強調引用者

朝日新聞の記事には「〜など中小の出版社」とあるだけで、出荷停止を決めた出版社数は明記されていない。ポイント還元サービスからの除外を求めていた 51 社全てが 5 月から出荷停止に踏み切るのか、それはわからないけど、日ごろ中小出版社にお世話になっていると自覚している人は動向を気にしておいた方がよさそうです。Amazon を使わざるをえない環境だってあるしねぇ。

(追記)出荷停止後に起こりそうな問題としては、上記出版社の書籍が Amazon 以外では販売中であるにもかかわらず、悪質な出品者が高額でマーケットプレイスに出品するという事態が考えられます。5 月以降に Amazon で中小出版社(ってどこかはっきりしないけど)の古本を買う時は、ちょっとだけ気をつけましょう。(追記終わり)

Amazon の代替になりうるオンライン書店の一覧としては、以下のサイトが使えそうです。

これを機にペレックの『人生 使用法』をどこかで買おうかなあ。

追記(2014/04/18 9:20)

「出版社 51 社が Amazon の実質値引きに抗議」というニュース自体は、去年の夏に大きな話題になっていたようだ。知らなかった……。

日本出版者協議会の会員社は以下で確認できる。

このうち 51 社が Amazon に要望書を送ったわけだ。51 社のリストは見つけられず。ご存じの方がいたら教えてください。